空の下の約束
お店につくとまだ17時だと言うのに女の子が勢揃いしていた。


「おはようございまぁーす」


お店では少し声を高めに可愛い感じで喋る事を心掛けている。


勿論、お客さんによって喋り方は変えるけど、この七変化も今日で終わり。


寂しいと言うより嬉しさでいっぱいだった。


目標の貯金もかなり越えたしね。


入り口からお城のような螺旋階段を降りていく。


お店のホールは地下に出来ている。


「麗子さん、おはようございます」


黒服の真也が階段を上がってきた。


麗子とは私の源氏名。


「皆さん来てますよ」


ニコニコといつも愛想がいい。


「知ってるよ。入った途端、皆の笑い声が聞こえたもん」


私もつられて笑顔になる。


「それにしても今日の麗子さんは気品がありますね」


イヤらしくない程度の目線で見てきた。


こういうの苦手…


「ありがとう」


一言だけ返して螺旋階段を降りた。
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