キスから始まる恋【短編】
…とは言ってみたものの。
実際、一年の教室の前に立ってみると想像以上に緊張するもんで…
「はぁ…。」
「すいません…中西先輩ですよね…?」
ため息をついたと同時に、後ろから声をかけられた。ふり返るとそこには一年生の女の子がいて。
「?はい…そうですけど…?」
「あのっもう理久くんに近づかないでください!!」
「えっ??」
「先輩は、知らないと思いますけど…理久くんが中西先輩にキスしたの…罰ゲームなんです!!」
その言葉を言われた瞬間、頭の中が一気に真っ白になる。
「…なに…言って…」
「あたし知ってるんです。一緒にその場にいたから…ゲームで負けた人が、一番最初に目が合った人にキスするっていう…」
「…………。」
「それで、理久くんが負けたから…だからっだからもう理久くんに近づかないで!!」
「由香里!…と先輩?」
「り、理久くん!!」