キスから始まる恋【短編】
「…え?ちょ…まっ…?」
あたしはワケが分からず、頭が真っ白になっていた。
「葉月先輩ってさ、人の話聞かないよね。」
「はい?」
「そんでもって鈍感でちょっとぬけてて、でも素直で…」
「ちょ、ちょっとタンマ!!」
そう言いながら理久の体を突き放す。
「なに?」
「確かにちょっとぬけてるかもだけど、それとこれとは関係な…」
「うん。だから……」
理久は言葉の続きをやめ、あたしの方をじっと見つめる。
「そんな先輩を好きになった、ってこと。」
「……え…えぇぇぇぇ!?」
「声でかい。」
「だ、だって!!あたしにキスしたのは罰ゲームでっ…」
「確かにそうだけど…先輩、俺の話聞いて?」
「う、うん…。」
そう言うと、理久は砂浜に座った。
あたしも黙ってその横に座り込む。