キスから始まる恋【短編】
「…俺、ずっと前から先輩のこと知ってた。」
「ずっと…前から?」
「…入学式のとき、校内で迷ってる俺に声、かけてくれたっしょ?」
「え…そうだっけ?」
「やっぱ覚えてないんだ……」
「ご、ごめんって!!」
「まぁいいけどさ。そんで、気づいたら…その日から先輩の事…目で追うようになってて…」
「……ちょっと、待って…頭が混乱して……」
そう言いながら、あたしは頭の中を必死に整理する。
「ん~……はいっ続きどうぞ。」
「で、この前みんなでゲームしてるときに、負けた人が一番最初に目合った人とキスするってことになって……」
「理久が負けた、んでしょ?」
「うん、でもどーせなら好きな人にキスしよって思って…」
「思って?」
「あの日、ずっと葉月先輩のこと待ってた。」
「え…それって…どゆこと?」