キスから始まる恋【短編】
あれから何時間がたっただろうか。
あたしは、人の気配でふと目が覚めた。
「おはよう、葉月先輩。」
そう言ってニッコリ笑いかけてきた奴は……
「………ッ!!?」
「どうしたんですか?そんなに慌てて?」
「み、皆川理久っっ!!」
「あ、理久って呼び捨てでいいですよ!ってか名前、覚えててくれたんすね!!じゃあご褒美に、もう一回キスしましょーか?」
「…っ!?ふざけないで!!」
そう言って、近づいてきた体を押し返す。
「なんだ、冗談だったのに。」
「………!?」
あんたが言うと冗談に聞こえないっつうの!!
「だいたいっ昨日はいきなりだったから何も言えなかったけど!!あんた一体なんなの!?」
「ん~………秘密。」
「は?…じゃあ何でここにいるんですか。」
「それは、教室から先輩の姿が見えたから。」
ス、ストーカー!?