キミコイ?
「悲劇なんてどうにでもなるんだ。俺なら無理にでもハッピーエンドに…」
そのときの零央はどこか遠くを見つめていたように感じた
「なんてな…帰ろうか」
一瞬見せた悲しい表情が、私はしばらく頭から離れなかった
「うん…」
帰り道での零央はいたって普通だった
とくに変な様子もない。やっぱり私の気のせいだったようだ
「家まで送ってくれてありがと」
「お姫様無事帰還…と」
零央はそう言い、ニコッと微笑み「また明日」といって帰って行った