謎の時間
「じゃあ、またね〜」
そいつを家まで送り届けると、俺は近くの公園に向かった。
「……はぁ。・・・だめだな、俺」
ブランコに腰掛け、暮れ掛けた空を見上げる。綺麗な夕焼けが辺りを彩る空を、溜め息混じりに眺めた。
「……聞けねぇことはないんだけどな」
本人を前にすると、ペースを持っていかれてしまう。能天気なようで、決して寄らせない。中々隙のないところに、余計に興味を持つ。
「っし、来週聞くか」
ひとつ頷き、ブランコを漕ごうと強く地面を蹴った時
「あれー、寄り道する悪い子発見〜」
妙に間延びしたアニメのヒロインのような声が響いた。