Don't forget “my memory…”
ある賑やかな一軒家…
その家の屋根に小鳥が止まろうとも、その騒がしさにすぐ飛び立ってしまう…
その家の中、真っ白なソファーに座り本を読む、セミロングの髪を団子にした6歳ぐらいの少女の姿が。
周りの騒がしい音には目もくれず、自分の世界に入っていた。
「ツグミー!」
「何や!?触んなや!」
そんな彼女に後ろから抱きついてきた、切れ長の目をした短髪の男性。
彼は本を読む少女、ツグミの父、イワン。
誰かから殴られたのか、頬は赤くなっていた…
抱きついてきた彼を押し退けると、再び自分の世界に入る。
「ツグミまで…俺は邪魔者かいな……」
実の娘に相手にされなかった事が悲しかったのか、彼はしょんぼりとし、泣き真似をし始めた…
腕で涙を拭う仕草をしながら、彼はちゃっかり彼女の隣に腰を下ろす。
娘が真剣に読んでいる本は何なのかと、覗き込んでいると…
「イワン!あんたねぇ!ツグミに気安く触ってんじゃないよ!」
背後から声がしたかと思うと、髪を思いっきり引っ張られた…
「えぇー!?どないしてや!?」
痛いと言いながら、立ち上がり、髪を掴む人物を振り返る。