Don't forget “my memory…”
そこにいたのは、肩までの髪をした背の高い女性。
彼女はツグミの母、マイ。
「どうもこうもない!ほら、シッシッ!」
「シッシて…何や変なもんみたいに…俺等は家族やろ!?なぁ、ツグミ?」
「……」
何か払うような仕草をされ、彼は娘にすがりつこうと話しかけるが、彼女は聞こえていないのか、それとも完全無視なのか、無言である。
「ツグミーー!」
「だから触んなって言ってるでしょうが!」
同意してくれなかった事に悲しくなったイワンは、再び娘に抱きつこうとする。
マイは娘に手を伸ばす彼を捕まえると、首に腕を回して締め上げた…
「ぐ、ぐるしっーー!」
「えっ!?何だって!?」
ギブアップというように、彼女の腕を叩くが、彼女は彼を放そうとはしない…
じゃれついているように見えるそんな2人…
「ツグミー…助けてぇなー…」
彼はソファーに座る娘に助けを求めるが、彼女はチラリとじゃれあう2人を見て、溜め息を吐くだけだった…
マジウザい…
毎日騒がしいし…
元気よすぎやろ…
でも、そんなこの家族がうちは好きやねんけどな。
いつも明るくて、ちょっとふざけた所とかはあるけど、全てにおいて好きやな。
この家が…
この家族が…
賑やかで騒がしい日々が、いつまでも続くのだった…
●○end…○●