Don't forget “my memory…”

微かに揺れた澄んだ瞳…

過去を思い出せない苛立ち…

しかし、彼女の顔からは、すぐにその表情は消え去った…


その代わりに、強い意志を持つ、瞳を青空へと向ける…



でもね、これだけは言える…


貴方と、ずっと、一緒にいたいって…

傍に、いたいって…


それだけは、言える…

この青い空に、誓って…




 「カリン。」


穏やかな風が吹いた時、背後で私の名を呼ぶ声がした…


優しい…
愛しい…声…


…愛しい…の…?

彼を、愛しいと、思っているの…?

彼を、愛している…の…?


自問自答を繰り返すカリン…


彼女は、答えを出せなかった…

答えを出す前に、彼女は、声の主へと走って行ったのだ…


すぐ傍にいた、青い瞳の彼…


貴方はいつも笑ってる…

辛い顔なんて、見た事がない…


無理して笑わないで…
辛いのに、無理しないで…



カリンは彼に抱きついた…

フンワリと、風に舞うように、彼の胸へと飛び込む…



彼は、カリンを優しく受け入れる…

何があったのかは知らない…
どうしたのか…
何が起こったのかも…


でも、彼はどんな時でも、私を受け入れてくれる…


心の大きな、
私の信じれる、
唯一の、人…


< 3 / 29 >

この作品をシェア

pagetop