湊くんの秘密。
でも、「これ、あたしのこと?」なんて自分から聞けるわけない。
続きを読みたがっている美菜子に雑誌を渡して、教室を出た。
もし。
もしあれがあたしのことだったら。
からかうなんて、出来るわけない。
嬉しすぎて、頭が爆発しそうだっていうのに、からかう材料なんて探してられない。
口元を手で覆って、あたしがいつも登る階段の下に行った。
湊くんが声優だって知らされた、階段下だ。
壁側に背中をつけて、体育座りをする。
どうしよう、今すぐ湊くんに会いたい。
でもまだ、1時間目と2時間目の休み時間だ。
まだ……来ないよなぁ…。
膝の上に、頭をがっくりと落とした。
湊くん、今取材受けてるんだもんね。
早く会いたい。