湊くんの秘密。
寂しいなんて、思うなあたし…っ。
声優が好きなんでしょ。
鈴木湊が好きなんでしょ。
久遠湊が、好きなんでしょ…。
だから、理解しないといけないんでしょう…?
「ワガママ言わないから…っ、遠くに…行かないでよ……」
部屋でポツリと呟いたあたしの声は、無残にも、床に落ちて
砕けた。
遅刻だけど、明日だって会える。
無理やりそう思って、部屋の電気を消した。
湊くんの代わりに、大きめの枕をぎゅっと抱いて布団に潜り込んだ。
仕方ない。
お仕事だもん。
…大丈夫。
笑え、あたし。
本人の前で、寂しそうな顔なんて死んでも見せない。