湊くんの秘密。
寂しいと思ってる自分に腹が立つなら、自分からその気持ちを消滅させてみせる。
それが誰にも迷惑かけない方法だと思うから。
昨日の夜、布団に潜り込んで考えた結果、この結論に至った。
「乙女全開だね、蘭は」
「へっへっへ」
「いーなぁ。蘭みてると、あたしも恋したくなってくる…」
珍しく強気ではない発言の美菜子は、あたしの前の席に座って、天井を見た。
「蘭とみゅうくんみたいなカップルに自分でもなれるなら、彼氏欲しくなってくるよねぇ〜…」
「えっ。そんな、そんなラブラブしてる?あたしたち」
少なくとも、学校では少ししか話をしないし、
するとしても、美菜子も知らない階段下だ。
階段下じゃ、いろいろやらかしたけど…。
美菜子には、あたしと湊くんをうらやましがらせる何かを見せた記憶はない。
「そんな謙遜しなさんな? こっちから見りゃ、バレバレ」
「謙遜っ…?!」
「休み時間中にアイコンタクトとかしょっちゅうだし? 話してるときも2人だけ世界違うから」