湊くんの秘密。



それを知ってるのが、あたしと美菜子だけだと思うと少し優越感だ。



「湊くん」

「あ、おはよ」

「おはよっ」



こんにちはの時間帯だよ、とは思ったけど、湊くんは朝早い時間から仕事が多いから

おはように慣れちゃってるのかなーなんて、1人で考えた。



「ね、これあげる」



そう言って、湊くんの前にコンビニのレジ袋を差し出した。



中にはもちろん、メッセージ付きのお菓子たち。



コンビニの袋で渡すとか、可愛さの欠片もないけど、今はこれで渡すしかない。


あー…別の可愛い袋とか持ってこればよかった。



「え、なにこれ?」

「お菓子です」

「や、それは見たらわかるけど」



レジ袋の口を開いて、湊くんはお菓子をじっと見つめた。



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