湊くんの秘密。
見つめて数秒…
「あははっ」
湊くんは突然笑った。
「えっ湊くん何で笑うの!」
「や、かわいいなーって思って」
今日もいつも通り、前髪はだらーんとしてて、変わりはないのに。
中の湊くんの笑顔は輝いて見える。
「…かわいいって…なにが…」
お菓子見て、かわいいってなに…。
お菓子にかわいいとかあるの?
「それがわからない蘭が可愛いんだよ。
はーっ、ありがと。後でゆっくり読むよ」
レジ袋をちょっと上にあげて、“ありがとう”という仕草をした。
席に戻った湊くんを少し観察してから、美菜子の元に戻った。
あー…。
やっぱり会えるだけで、十分嬉しいじゃん。
十分ドキドキしてるじゃん。
なにを寂しいなんて思ってたんだろう。
昨日自分が寂しいなんて思ったことが恥ずかしい。