湊くんの秘密。




「なに、よ。久遠くんが偉そうにっ。今まで空気でしかなかったくせに!!」



あんたがなによ。

偉そうに……っ。



「その言葉………覚えとけよ。

それから、お前ら」



そう言って、港くんはクラスを見回した。



「その性格、直した方がいいよ」



ゾッとするほど、いい声だった。



湊くんは、あたしと美菜子の腕を引いて、教室を出た。



美菜子もアニオタの分類だから、きっとあたしの腕だけを引くと

あとで責められるって思ったのかな。



後先のことまでちゃんと考えられてる湊くんを…

あんな風に言われて。



悔しくて、

苦しくて……っ



涙が止まらないよ。



ちらっと美菜子を見ると、美菜子の目にも、うっすら涙が溜まっていた。



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