湊くんの秘密。



そう思ったら、教室の出来事が悔しくて悔しくて。



「なんで…っ、なんで湊くんがあんな風に言われなきゃいけないのっ…!湊くんは…、絵麻ちゃんたちなんかよりずっと頑張ってるのに……っぅう…、…!」



途中で、湊くんの手があたしの頭に回って。

顔が近づいてきて。

口を、塞がれた。



「……もう、わかったから」



ほとんど口を離していない状態で言われて、またキスが降ってくる。



「蘭がそう思ってくれるだけで嬉しい。それで、十分だから」



ゆっくりと頭を撫でられて、あたしの興奮が治まって行くのがわかる。



湊くん……っ。



あたし、あんな人たちに負けたくないよ。

だから、頑張る…。



湊くんがいなくたって。

美菜子がいなくたって。



あたしは湊くんの彼女だけど、それが何なの


って、ちゃんと堂々と言いたい。



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