湊くんの秘密。



「なんで?!なんでいるの?!」

「なんでって、生徒だから?」



しれっとした顔で言われて気づく。

そりゃあそうだ。



でもっ、来るって思ってなかったから!

期待してなかったから!!



嬉しくて……仕方ない。



カバンを床におろして、座ったままの湊くんに抱きつく。


よかった。

今日は湊くんに会えないって思ってたから…。



「…らーん。どーした?」



あたしの頭をゆっくり撫でくれる。

その優しい声が、あたしの涙腺を崩壊させにくる。



…でも、泣かない。



「甘えたくなったの…」

「そ。 ST始まるギリギリまでここにいよっか」



無言で頷く。

きっと、教室へ入りにくいこととか、あたしが甘えてきたこととか

全部ひっくるめてあぁ言ってくれたんだろうな。



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