湊くんの秘密。
VOICE : 06
関係ないじゃん
あまり音を立てないように、ゆっくりめに教室のドアを開ける。
いつも通り騒がしい教室の中を、自分の空気を消すようにして席に行く。
ほっ……。
よかった、別に何もないじゃん…。
考えすぎだったかな…?
「おはよ、蘭」
「ん、おはよーっ」
あたしが来たことに気づいて、美菜子があたしの席に来た。
美菜子もこの様子だし、何もなかったみたい。
よかった……。
「今日来るの、遅かったね?」
「あー…、こないだの階段で湊くんと話してたんだ」
湊くんが美菜子とあたしを引っ張って、階段下に連れて行ってくれたから、
もう美菜子はあの場所を知ってる。