湊くんの秘密。
VOICE : 06

関係ないじゃん





あまり音を立てないように、ゆっくりめに教室のドアを開ける。



いつも通り騒がしい教室の中を、自分の空気を消すようにして席に行く。



ほっ……。

よかった、別に何もないじゃん…。



考えすぎだったかな…?



「おはよ、蘭」

「ん、おはよーっ」



あたしが来たことに気づいて、美菜子があたしの席に来た。



美菜子もこの様子だし、何もなかったみたい。

よかった……。



「今日来るの、遅かったね?」

「あー…、こないだの階段で湊くんと話してたんだ」



湊くんが美菜子とあたしを引っ張って、階段下に連れて行ってくれたから、

もう美菜子はあの場所を知ってる。



< 177 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop