湊くんの秘密。
なんでお仕事頑張ってね、とかすら言えなかったんだろう。
絶対湊くん困らせちゃった…。
わざわざ電話かけてきてくれたのに。
なんであたし、自分のことしか考えられなかったんだろう。
「よしっ、午前はあたしと回ろ!」
「でもっ、美菜子だって他の子と約束してたんじゃ…!」
「いーのいーの。他クラスの普通に仲いいだけのアニオタさんだからさ。
その子には悪いけど、今は蘭の方が大事だしね」
心の中で、ごめんねと謝って、美菜子の言葉に甘える。
あたし、美菜子に甘えてばっかりだ。
「みゅうくんがいなくても、あたしがたっくさん笑わせてあげる!ねっ?」
「…ありがとう」
嬉しくて、美菜子にぎゅっと抱きついた。