湊くんの秘密。
《えっ、それは着て下さったということですか…?》
息を飲んだ。
湊くん、どうやって答えるの…。
「あー…ははっ、後で話そうと思ってたんですけど、じゃあ…お話少しいいですか」
湊くんが申し訳なさそうに言うと、
司会者の人はどうぞ、と一歩後ろに下がった。
「すいません、皆さん。僕から大事な話があります」
静かに話を聞いていたのに、少しだけざわつく。
同時にあたしの胸もざわつき始めた。
「僕を知ってる方にも、今日初めて知った方にも伝えたいことがあります」
その湊くんの真剣な表情に、誰もがステージに視線を向ける。
「僕はまだ高校生です。世の中をわかってない子供がこんな大口叩くのは少しおかしいかもしれません。
でも…」