湊くんの秘密。
「僕の…、俺の制服です」
そう言うと、また周りがざわつき始める。
隣の美菜子はあたしの手をぎゅっと握ってくれている。
美菜子も緊張してるんだろうか。
「……俺は」
湊くん…っ。
「この学校の生徒です」
湊くん…っ。
どうしよう。
どうしたらいいか、あたしわかんないよ。
あたしを守るために、このイベントに参加して
あたしを守るために、自分がここに通ってるって言ったの…?
「普段はダサい格好をしてるので、知らないと思います。
だから、それを笑う人から何回も嫌なことをされたりしました。
でも、俺が俺だとばれなきゃ何でもよかったんです」
もう一度、湊くんと視線が絡み合う。
「…彼女に出会うまでは」