湊くんの秘密。




口元を、持っていたタオルでギュッと隠した。


そうしていないと、声が漏れてしまう…。



「前、僕のことを笑った人にキモいって言われました。

傷ついてないと言えば嘘になるけど、その言葉を彼女にまで向けるのはおかしいと思います」



湊くんは全体を見回しながらも、たまにあたしとしっかり目を合わせてくれる。



そういうところにまた、あたしの涙腺が崩壊する。



「僕が今、この学校の生徒だって言ってまで守りたい人なんです。

言い方は悪いけど…」



湊くんの立場になって考えたら、苦しくなった。



だって湊くんはもう普通の学校生活を送れなくなっちゃうかもしれないんだよ。


あたしのために…。



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