湊くんの秘密。
心配してくれてありがとう。
会いにきてくれるの、楽しみにしてる。
心の中でそう言って、俺はまたシャーペンをノートに走らせた。
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問題の週末。
握手会の会場に着いたら、出待ちのファンの子たちに手を振って中に入った。
もしかしたら、蘭ちゃんと黒崎さんがいるかも
とは思ったけど、見る余裕がなかった。
握手会とはいえ、緊張はする。
もっと緊張するのは、アニメのイベント。
「大丈夫か、眉間のしわ、深いぞ」
「あ、大丈夫です…」
マネージャーに顔色を窺われ、パシンッと両頬を叩いた。
俺が緊張してどうする。
ファンの子たちの方がよっぽど緊張してるはず。