湊くんの秘密。




返事がない…。

いないのかな?

…でもそんなわけ…。




不思議に思いながらも、足を進める。

奥がやけに静かだ。



「湊くーん…?」



部屋の角を曲がると、ソファで寝ていた湊くん。



うわあ、なにこれ。

写メりたい…。



この寝顔、天使だよ。

言い換えるなら、犬の寝顔みたいな…。



男の子のくせにこんな寝顔、ずるい。



「…ずるいなぁ、ほんとに」



湊くんを起こさないつもりのボリュームだった。



はずなのに。



あたしの腕はグイッと引っ張られて、

思いっきり湊くんの膝の上になだれ込んだ。



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