湊くんの秘密。
「あいつらもわかってくれるといいんだけどな」
「…そうだね」
湊くん。
今日は疲れたでしょう?
ストレス溜まったでしょう?
だから…
「湊くん、ぎゅーしてあげる」
「ふっ。 もうしてるよ…」
スッとあたしの後頭部に湊くんの手が回って、強く抱きしめれた。
「蘭…?」
「ん?」
「今日はいっぱい泣かせちゃって…ごめんな」
あたしは湊くんの腕の中で小さく首を振った。
「嬉し涙だからいーの。あれは」
「……」
「それよりも、泣いてるときに声を堪える方が大変だったんだよーっ」
湊くんがだんだん沈んでいってる感じがしたから、あたしはわざと明るく言ってみた。
「今も…泣きたい?」
抱きしめ加減を緩められて、少しだけあたしと湊くんに距離ができる。
湊くんが切なそうな顔をしてるから。
「…ぅん…っ」
今度は大きく頷いた。