湊くんの秘密。



「えっ、帰っちゃうんですか?」



と、驚いたあたしにマネージャーさんは、はぁ…とため息を付いた。



「…恋人同士が一緒にいるというのに、私の居場所がどこにあるっていうんですか」

「……へ?」



マネージャーさんなんだし、ここにいればいいのに。

とあたしが思ったのは、どうやらまずかったらしい。



「わからないですか。私の居心地が悪いんですよ。

それに私は空気が読めない人間にはなりたくないんでね」



いっこうに笑わないマネージャーさん。


もうこの雰囲気が怖い…っ!!




「全く…湊がどうしてあなたのような方を好きでいられるのかわかりません」



マネージャーさんは、机に散らばっていた資料をまとめてカバンに押し込んだ。



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