湊くんの秘密。
「あんま可愛いことゆーな…。離れたくなくなるだろ」
あと30分しかねぇのに。
と、つぶやいた湊くんが可愛くて。
「かわい…」
湊くんに聞こえないボリュームで言って、もう一回、ぎゅっと抱きついた。
そしたら。
「うっ、湊く、いたい…っ」
「…聞こえてんだよ。
仕返しだバカ。せいぜい苦しめ」
えっえっ、
なんの仕返しっ?!
意味がわからないまま、抱きしめられる。
あたしを抱きしめる力がだんだん強くなって、湊くんの腕が当たる背中がいたい。
「うーっ…」
「ギブ?」
「えーっ…堪えたらいいことある?」
完全にあたしの体は湊くんに預けきっていて、今手を離されたら
多分きっと、あたしは崩れ落ちる。