湊くんの秘密。



オーディションはあと1ヶ月半後。



まだ学校にいる間は会えるだけいいと思うべきか…。



でも、他の仕事もあるし来れる時間もきっと減るよな…。



ケータイの、蘭の番号を押す。



プルルルル…と鳴ったコール音は少したって止まった。



《湊くん?》

「あ、うん」

《どーしたの?》



これから蘭を傷つけてしまうと思うと、胸が痛む。



《え、なに…どーしたの》

「あー…うん、あのな」

《クビにされた?》



はっ?!

何で今の状況でクビになるなんて話になるんだっ?!



「なわけないだろ…っ」

《ジョーダンだってば!》



ああそっか。

蘭はわざと、俺が言いやすい雰囲気を作ってくれたのか。



< 261 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop