湊くんの秘密。
オーディションはあと1ヶ月半後。
まだ学校にいる間は会えるだけいいと思うべきか…。
でも、他の仕事もあるし来れる時間もきっと減るよな…。
ケータイの、蘭の番号を押す。
プルルルル…と鳴ったコール音は少したって止まった。
《湊くん?》
「あ、うん」
《どーしたの?》
これから蘭を傷つけてしまうと思うと、胸が痛む。
《え、なに…どーしたの》
「あー…うん、あのな」
《クビにされた?》
はっ?!
何で今の状況でクビになるなんて話になるんだっ?!
「なわけないだろ…っ」
《ジョーダンだってば!》
ああそっか。
蘭はわざと、俺が言いやすい雰囲気を作ってくれたのか。