湊くんの秘密。



ほら。

蘭はやっぱり反対しないんだ。



声優っていう職業を理解してくれてるから、嫌だなんて言わないんだ。



「本当にやっていいの、俺…」

《そんなの…あたしが決めることじゃないでしょ…?》



それから蘭は


『やりたいことがあるならやらなくちゃダメだよ。

学校には来てくれるんでしょ?それなら全く会えないわけじゃないしっ』



って言ってくれた。


俺はただただありがとうって言うだけで。


また蘭に甘えてるんだ。



《湊くん》

「…ん?」

《あたしと湊くんが一緒にいられる時間はまだいーっぱいあると思う。

だとしたら、会えない1ヶ月半なんてほんの少しだよ?》



電話の向こうで、蘭が笑ってるのが想像できた。


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