湊くんの秘密。
湊くんがいない学校で、
小声で愚痴をこぼすくらい、許されるよね。
「ぎゅうってさ…して欲しいな」
「はいはいそこまで。そんなこと言ってると余計寂しくなるからやめなさい」
ほっぺをぷくっと膨らますと、美菜子の指で潰される。
「自分で待つって言ったんでしょ」
「うん…」
「みゅうくんだって頑張ってるんだから、あんたも頑張らないと不公平でしょうが」
「…不公平?」
そりゃああたしだって、頑張らなくちゃとは思うんたけど…。
だけどやっぱり自分の気持ちって、思ってるほど追いつかない。
「これからずっと一緒にいるって決めたのに、みゅうくんだけ頑張ってさ。
蘭ばっか弱音吐くなんておかしいって言ってんのー」
美菜子は、舐めていた飴をガリッと噛んだ。