湊くんの秘密。
「食う?」
「…食べたい」
あたしは湊くんが本当にチョコをくれるんだと思ってた。
だけど………湊くんの考えは違ったらしい。
またすぐに、湊くんに口を塞がれる。
「…っ」
気づいたときにはもう遅かった。
「チョコ、食べれた?」
湊くんが意地悪そうな笑顔で聞いてくるのが、悔しい。
あたしはそういうつもりで言ったんじゃ…。
なんて弁解しても無駄だと思ったから、素直に
「……ご馳走様デシタ…」
と言った。
…恥ずかしいっ!!!
そんなこと言わされてる自分が恥ずかしい!!!!
と、赤くなっていたら急に思い出した。
「あっ!!!!」
はちみつ100%の飴!!!
湊くんに会えたら渡そうと思ってたから、今日会えてよかった。
カバンの奥から探し出した飴の小包を湊くんの手のひらに乗せる。