湊くんの秘密。




窓から湊くんに向かって、飴は綺麗な弧を描いて湊くんの元に落ちた。



暗くて、湊くんがキャッチしたかがよくわからない。



「キャッチした?」

「したよ」



それから『手紙ありがとう』と優しい声で言われて涙腺が崩壊するかと思った。



頑張って。

頑張って…湊くん。



「ありがとな。俺なりに頑張ってくるよ」

「うん…っ」



これ以上話したら、きっと泣いちゃう。



「じゃあ」

「ばいばい…、」



あたしの家から離れて行く湊くんを見えなくなるまで見送って窓を閉めた。



湊くんならきっと出来るよ。

あんなに頑張ってたんだもん。



やれる。きっと…。



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