湊くんの秘密。




頭を上げると、今度は慶太さんが頭をわしゎわしゃ撫でてきた。



えっ、慶太さん…?!



あまりにも慶太さんぽくない行動で、目を見開いた。



「…なんだ」

「や…慶太さんがこういうことするなんて思わなくて…」



ボッサボサになった俺の髪の毛を見て、慶太さんはフッと笑った。



慶太さんの笑った顔、初めて見た。



なんだ、意外と可愛い顔してるじゃん。



「驚いてるわりには、満更でもなさそうな顔してんじゃねぇか」

「ちょっ、慶太さんやめ」

「お前は嬉しいことがあるとすぐに顔がニヤけるよな」

「嬉しくねえ!!」



誰が慶太さんに頭撫でられたからって、嬉しがるんだよ。


しかも、同性なんだけど?!



でもちょっと…

嬉しいことがあるとすぐ顔がニヤけるとか、見破られてたことが嬉しい。



てっきり慶太さんは仕事を持ってくるだけのマネージャーだけで、


俺のことなんか見てないんだと思ってたから。



< 287 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop