湊くんの秘密。
頭を上げると、今度は慶太さんが頭をわしゎわしゃ撫でてきた。
えっ、慶太さん…?!
あまりにも慶太さんぽくない行動で、目を見開いた。
「…なんだ」
「や…慶太さんがこういうことするなんて思わなくて…」
ボッサボサになった俺の髪の毛を見て、慶太さんはフッと笑った。
慶太さんの笑った顔、初めて見た。
なんだ、意外と可愛い顔してるじゃん。
「驚いてるわりには、満更でもなさそうな顔してんじゃねぇか」
「ちょっ、慶太さんやめ」
「お前は嬉しいことがあるとすぐに顔がニヤけるよな」
「嬉しくねえ!!」
誰が慶太さんに頭撫でられたからって、嬉しがるんだよ。
しかも、同性なんだけど?!
でもちょっと…
嬉しいことがあるとすぐ顔がニヤけるとか、見破られてたことが嬉しい。
てっきり慶太さんは仕事を持ってくるだけのマネージャーだけで、
俺のことなんか見てないんだと思ってたから。