湊くんの秘密。



「慶太さん…ありがとう」

「…なんだ急に。気持ち悪い」

「慶太さんが台本渡してくれたときに、たくさん注意してくれたから合格できたんだよ」



慶太さんの言葉が無かったら、俺は少し天狗になってたかもしれない。



アニメ3本掛け持ちしてることで、少し気持ちが緩んでたかもしれない。



今日は疲れたからって、怠けるかもしれなかった。



けど、そんな風にならないようにいつも言葉をかけてくれたのは慶太さんだった。



「正直、慶太さんって何でこんなに俺に厳しいんだよって思ったこと、何回もあった。

まだ俺のマネージャーになってくれた当時は怖くて仕方なかった。

俺もまだ16だった、っていうのもあるけど」



思えばもう、慶太さんと2年も一緒にいるんだ。


あっという間だったな。



「最近やっと慶太さんの厳しい中にも優しさがあるってわかったんだ」

「遅すぎだろ」

「…ごめん」



やっぱ、すごいな。

慶太さん。



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