湊くんの秘密。




「ていうか、慶太さん、口調変わった?」

「それはお前もだろ」

「え?」



慶太さんはなんだか、いつもみたいな硬い敬語じゃなくなった気が。



「お前だって、今タメ語で話してるだろーが」

「えっ、うわ、ほんとだ」



完全無意識だった。

仕事では敬語モードなはずなのに。



それに今まで俺、慶太さんに敬語使ってたはずなのに。



「合格して、テンション上がってるんだろ」



俺の疑問を見透かしたように、慶太さんはまた笑った。



「すいません…」

「別に謝ることないだろ。俺だってもう敬語は使ってない」

「……慶太さん…」

「何だよ」



今の慶太さん、めっちゃカッコいい!!



大人の男って感じが!!!



「…抱きしめていい?」

「やめろ気持ち悪い」

「えーっ、何で!いいじゃん!合格を一緒に祝おーよ!!」

「そういうサービス業はしてない」

「サービスって…」



今日は慶太さんといるのが、すげえ楽しい。


< 289 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop