湊くんの秘密。
「ガキに抱きつかれる趣味はねえ」
「ガキって!!俺もう18!!」
「俺から見たら十分子供」
と言われて、俺は何も言えなくなった。
「ていうか湊」
「…今度はなに…」
もう悪い予感しかしないんだけど。
だけど、一応慶太さんの言葉に耳を傾ける。
「…抱きしめるなら、抱きしめる相手が違うだろ」
え。
うわ、そういう感じ…?
前言撤回…。
慶太さんって、ふとしたときに爆弾を落としてくるな、本当に。
「蘭さん、待ってるんじゃないのか。湊からの電話」
「…慶太さん…っ」
「抱きつくなよ」
横目で睨む慶太さんは、
顔は嫌そうだったけど、どこか嬉しそうな感じがした。
「俺はもう帰る。お前もさっさと帰れよ」
「はーい」
慶太さんが部屋を出て行ってから少し経って、俺も事務所を出た。
家のある方向とは違う道を歩く。
蘭…
驚いてくれるかな。
喜んでくれるかな…。