湊くんの秘密。
こう聞くの、ずっと我慢してた。
『行けない』って言われて、落ち込むのが怖くて。
明日は会えるかもって、期待してしまってる自分に腹が立つのが嫌で。
《…蘭》
「ん?」
《俺に会いたい?》
今さら何を言い出すの、湊くんは。
そんなの、そんなの…
「会いたいに決まってるじゃん…っ」
短い一ヶ月半だと思っていたのに、それは想像以上に長くて。
ベッドの中で、うずくまって必死に自分の気持ちを押し込めたりして。
前向きにならなきゃって思ったけど、やっぱり寂しいと思った日もあった。
「会いたいよぉ…っ」
《…泣くなよ》
「だって…ぇ…っ」
《カーテン》
「え?」
《カーテン、開けてみ》
耳にケータイを当てたまま、あたしは窓に近づいた。