湊くんの秘密。
「みっ耳が壊れそう!もう教室行こ!ほらカバン持って!」
照れ隠し。
耳元で、大翔様ボイスで好きとか言われたら、もうどうしていいかわからない。
「え、もう行くの?まだSTまで時間あるけど」
「いいからっ!ほらっ!」
「ちょ、引っ張んなよ、伸びる」
カーデを思い切り引っ張ったら怒られた…。
ほとんどなにも入ってないような湊くんのカバンを強制的に持たせて、
あたしは先に階段を登り始める。
「なー、蘭」
「な、なに」
「俺たち出会えてよかったな」
ななななんなの、急に。
階段の途中で足を止めた。