湊くんの秘密。




あたしが止まると、あとから登ってきた湊くんは

あたしの一段下で止まった。



一段分の段差があるから、目線が絡み合う。



「いい高さだね、これ」

「…そう、だね」



湊くんはあたしの顔をじっと見つめたまま、あたしの頭に手を乗せた。



「かわいい」

「……え?」

「蘭かわいい」



や、や、なんの冗談?!

ていうかていうか!!今日の湊くんおかしい!

甘すぎますって!!!!!



あたしの心臓が、さっきからヒーヒー言ってる。



「…湊くんだって…かっこいいじゃん。文化祭で暴露してから髪型ちゃんとしてるから…」



文化祭の後、学校は大変だったんだから。



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