湊くんの秘密。



「さっ、きょーしつ行きますかー」



ぐーっと伸びをしてから、湊くんはあたしにむかって笑った。



ああその顔。

ずっと隣りで、あたしが見ていたい。






ガラッと教室の扉を開けると、美菜子がすっ飛んで来た。



「おっそーーーい!」

「えっ、今日何かあったっけ?」

「別になんもないけど」



とりあえず美菜子は、あたしたちが教室に入ってくる時間が遅い、と言って来た。


………実は寂しかったのか?



それからしばらく、あたしと美菜子と湊くんの3人でおしゃべりしていると、



後ろに人影を感じた。



あたしの背後にいるからあたしには見えないけど、

湊くんの顔が険しくなった。



振り向くと…



「ちょっと時間いい?」

「………絵麻ちゃん…」



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