湊くんの秘密。



「…何か用?」



湊くんが警戒してるような声で絵麻ちゃんに聞く。



「…そんな怖い声出さないでよ。あたしは謝りに来たんだから」



絵麻ちゃんの口から、謝るなんて言葉が出てくると思わなくて、

あたしたち3人は呆然とした。



「ごめん、久遠くんの文化祭のトークイベントでやっと自分がバカなことしてたって気づいた」



ペコッと頭を下げた絵麻ちゃん。



「…それから…、久遠くんがまさか声優やってるなんて知らなかった。

……なんかイケメンだし」



拗ねたように、絵麻ちゃんは言った。



たしかに…あの前髪がだらーんとしてる湊くんから…

今のこのイケメンには結びつかないよね。



「…もう永瀬さんたちには関わらないからさ、安心して?」

「…関わらないなんて寂しいこと言わないでよ」


せっかく、同じクラスなのに。


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