湊くんの秘密。
《…湊くん?》
「…ごめん今終わった」
《……会いたぃ…》
「え?!」
《疲れてるよね…? ごめん、ワガママ言った…》
そ、そうじゃなくて!!!!
俺は蘭から会いたいなんて言ってくれると思わなくて。
少し落ち込んでるような声色の蘭に、俺が会わないはずがない。
「バレンタイン、有効?」
《日付けが変わってないなら有効でしょ?》
「今から蘭のとこ行く」
蘭の言葉を遮り気味で、こう言った。
俺だって蘭に負けないくらい早く会いたいんだからな!
慶太さんにタクシーを呼んでもらって、すぐに飛びのる。
「今から会うのか」
「うん。本番のバレンタインだから!」