湊くんの秘密。




タクシーの運転手さんに蘭の家の近くまで送ってもらった。



慶太さんはそのまま自分の家に帰るみたい。



「…着いたよー」

《わーっ、今行く!》

「あったかくしてこいよ。寒いから」



蘭の家に着いてから電話をしたら、すぐに蘭の部屋の電気が消えた。



電話でもわかったけど、慌ててる蘭、超カワイイ。



ガチャっとドアが開いて出てきた蘭は、

部屋着にモコモコした素材の上着を着てるだけだった。



「あったかくしてこいよってゆったじゃん。すげー寒そう。マフラーは?」

「あっ!チョコのこと考えてたら忘れてた!」

「…ばか」



つけていたワインレッドのマフラーを蘭の首にグルグル巻きつけると



すごい幸せそうな顔で、『あったかぃ…』って言われた。



< 334 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop