湊くんの秘密。
優しい顔が苦手です
そういえば、昨日の湊くんの髪の毛はきちんと整っていた。
あの邪魔そうな前髪も、斜め分けで可愛い湊くんの顔をより可愛くみせてた。
「昨日の髪型、すっごく似合ってた」
次の日の学校でそう話しかけると、湊くんは驚いたように顔を上げた。
「…? どうかした?」
「蘭ちゃん、俺に話しかけるとみんなから変な目で見られちゃうよ」
小声でそう言われて、納得した。
今まで、湊くんと話す人なんていなかったからだ。
話すとしても、提出物出してとか。
その程度だったと思う。
「いいよ〜そんなの。だって、あたしと美菜子がぎゃあぎゃあ騒いでる時点で、すでに変な目で見られてるからっ」
昨日のことで、だいぶ距離が縮まった。
だって、あのあたしがこんなに普通に話せてるんだもん。