湊くんの秘密。
「ったぁ!!!」
顔を伏せていると、前から美菜子があたしの頭を読んでいたマンガではたいた。
バンッてなかなかいい音がして、ちょっとムカつく。
「久遠くん、笑ってるんだけどー」
「えっ」
「教室でイチャつくの、やめてくれるー」
また何事もなかったかのように、美菜子はマンガを読みだした。
くっそぉ。あたしの頭、叩いたくせに…!
しかもそれ、あたしが貸したマンガだしっ!!!
美菜子を睨みながら、残りのご飯を口に詰め込んだ。
何かで絶対仕返ししてやるからな…。
そう決めたのは、美菜子にはもちろん内緒だ。