湊くんの秘密。
落ち着け。
落ち着け私……。
目を閉じて、ケータイを片手に持って、もう片方の手を自分の胸に当てる。
デート…
デート…
湊くんとデート…
…だめだっ!全く落ち着かない!
お経みたいに唱えたって無理だ!!
ちょっと考えてから返信しようかな…。と安心しかけたそのとき。
TVの中で大翔様がしゃべっている声と、ケータイの着信が重なった。
「っひゃあ!!」
湊くんから電話ーーーっ!!!!
ちょっ、誰か助けて!!!
と、泣き言を言っても誰も助けてはくれない。
「もし、もし…」
『メール見た?』
「みました…」
湊くんの声。
いつからこんなに、ホッとするようになったんだろう。