湊くんの秘密。
VOICE : 03
恥ずかしいんです
一体あたしは、服を決めるのに何時間かかったんだろう。
デートのために選んだ服。
決して自信はないけど、服であたしを少しでも可愛く見せられるなら、
何時間でも悩む。
結局、3時間あたり着ては脱いでを繰り返して、
一人ファッショショー状態だった。
だってだって!!!
今日は湊くんと初デートの日なんです。
メールで【土曜日デートしない?】ってきてから、生きた心地がしない。
当然今も…。
ドキドキで胸が張り裂ける寸前…。
部屋にある湊くんのポスターでさえ、命の危機を感じた。
「お母さんっ、変じゃないっ?!」
「さっきからそれ、3回目よ。変じゃないからさっさと行く!」
玄関の全身鏡でもう一度自分を確認してから、家を出た。