湊くんの秘密。
待ち合わせは、あたしの最寄りの神江駅。
どこに行くかは……まだ決まってません。
あたしが決めてって言われたわけじゃないし、
湊くんからもあそこ行こうってならなかったから…。
ちょっと、不安を覚えながらも駅の改札まで来た。
「今日は前髪下がってないんだね」
改札前にはもう湊くんはいて。
白Vネックに、薄めのジャケット。
爽やかな格好に、整った顔。
だめだ……っ、目が、やられる。
マスクしてるけど…かっこよすぎるもん。
「マスクして前髪下げてたら、ただの不審者でしょ」
ニコッと笑って、あたしの頭の上に手を置いた。
身体中の熱が、頭に上る。