湊くんの秘密。
「じゃあ決まりっ!行こうか」
目の前に手を差し出され、それに自分の手を重ねた。
自分の家に行くって決まってたなら、駅教えてくれればのかったのに。
そしたら、駅まであたし行ったのに…。
あたしの最寄り駅まで来て、余計な交通費がかかっちゃったんじゃ…。
そう湊くんに言ったら、
「何言ってんの。俺、一応働いてる人だよ?何百円の交通費くらい別に大丈夫だよ。
俺が来たかったんだから、そんなこと気にしなくてよろしい。
わかったらさっさと歩く!」
と、手を引っ張られた。
…やだなぁ。もう。
湊くん、カッコよすぎて調子狂う…。
手を引っ張られて、隣に並んだけど…。
隣に並んで湊くんを見るのは恥ずかしいから、すぐに湊くんの斜め後ろを歩きながら、湊くんを観察した。